「体質」は「遺伝子」だけじゃない!全身の健康と切っても切れない関係のある「腸内フローラ」とは?

がん、糖尿病、アレルギー、更年期障害、肥満・・・

健康に関する悩みは人それぞれですが、私たちには色々な悩みがつきまといます。

それを「体質」と言ってしまうと、私たちは「遺伝子」と結びつけ、

「仕方がないんだ・・」

と思ってしまいがちですが、その体質、実は、腸内細菌が決めているかもしれないのです。

「遺伝子」のコントロールは出来ないかもしれませんが、「腸内細菌」なら工夫すればある程度はコントロールできますので、早々にあきらめてはいけません^^

私たちの体の中には細菌がたくさん住みついていますが、その中でも多いのが腸内細菌です。
腸内だけでなんと、種類は100種類以上、個数にすると100兆匹以上も存在しています。

このようにしてできた腸内細菌の生態系全体のことを腸内フローラといいます。

腸内フローラ
画像:NHKスペシャル 「腸内フローラ解明!驚異の細菌パワー」より

この腸内フローラ、実は美容や健康を保つための仕組みに大きく関わっているとみられていて、この研究が進めば、医療のあり方が変わるほど大きなインパクトがあると考えられています。

がんや糖尿病、肥満、アレルギーなど、現段階だけでも40以上の病気で腸内フローラとの関係があることがわかっているのです。

以前NHKスペシャルで放送されていたのですが、重い感染症で全身の倦怠感とめまいで悩まされていた方が、腸内細菌を入れ替える最新の治療で治ってしまった、という事例もあるようです。

つまり、腸内フローラのあり方次第で健康状態に大きな違いが出てくるということです。

腸内フローラがどのようになっているかは人によって違いますので、これをどう整えるかが今後大きなテーマになってきそうです。

まだまだ研究段階なので「○○すればよい」とわかっているものは少ないのですが、腸内フローラのことを知っておくだけでも今後の自分の生活習慣を意識するようになるかもしれません^^

腸内細菌の働き

腸内細菌は、私たちが食べたものを分解し、それを栄養にして生きています。

腸内細菌
画像:NHKスペシャル 「腸内フローラ解明!驚異の細菌パワー」より

腸内細菌は、食べ物を分解する時、さまざまな物質を出します。
どのような物質を出すのかは腸内細菌によるのですが、その物質が、私たちの体に色々と働きかけているのです。

物質には、良い影響を与えるもの、悪い影響を与えるもの、色々あります。

例えば、「バクテロイデス」という菌は、肥満と関係があります。
その例を説明しましょう。

そもそも肥満は、血管を流れる「脂肪」を、「脂肪細胞」が取りこんで起こります。

脂肪細胞
画像:NHKスペシャル 「腸内フローラ解明!驚異の細菌パワー」より

脂肪を取りこみ続けると、脂肪細胞がどんどん巨大化するので太ってしまうのです。

一方、バクテロイデスは、食べ物を分解するときに「短鎖脂肪酸」という物質を出します。

その短鎖脂肪酸は、腸から吸収されて血液中に入ります。
そして全身に張り巡らされた血管を通して、身体の隅々まで運ばれます。

その時、短鎖脂肪酸が脂肪細胞に働きかけるのですが、それがバリアのような働きをして脂肪の取り込みが止まります。

短鎖脂肪酸
画像:NHKスペシャル 「腸内フローラ解明!驚異の細菌パワー」より

また、筋肉にも作用して脂肪を燃やしてくれます。

短鎖脂肪酸
画像:NHKスペシャル 「腸内フローラ解明!驚異の細菌パワー」より

このようにして短鎖脂肪酸は、脂肪の蓄積を防いで、脂肪を燃焼させる物質を排出し、肥満を防いでくれる役割を担っているわけです。
その大元となっているのが腸内細菌「バクテロイデス」というわけです。

肥満は、食べ過ぎや運動不足など生活習慣の乱れが原因なのが大きいですが、このような仕組みがあることを考えると、バクテロイデス不足による影響も原因の一つとして考えられます。

もしあなたが、体質的に太りやすいのなら、その可能性は高いかもしれませんね。

腸内細菌が出す物質って、他にはどんなものがある?

腸内細菌が出す物質は、菌によって色々です。

バクテロイデスの場合は「短鎖脂肪酸」という物質でしたが、他にも腸内細菌が出す物質が数多く発見されています。
それらが私たちの身体にさまざまな効果をもたらしていることもわかってきています。

例えば、肌の若さを保つエクオール。

これは、肌のハリを保つコラーゲンを増やしてくれるという、女性に嬉しい物質です。
女性ホルモンに似た働きをして、更年期の女性にありがちな顔のほてりや骨密度の低下を防ぐということも報告されているんです。

更年期女性にエクオールを飲んでもらう実験を行ったところ、飲んだ人はしわが浅くなったのだそうですよ^^

エクオール産生菌、ぜひ腸内に居座ってほしいですよね♪

しかし、必ずしも身体に有益な物質を出す腸内細菌ばかりではありません。
中には発がん物質をまき散らす腸内細菌もいるのです。

こういう菌はできるだけ排除したいところですね。
最先端の研究では、こういう菌の排出する物質に注目して、老化防止に役立てたり、がん予防などに役立てようとしているわけです。

腸内フローラを整えるには?

「腸内細菌」と聞いて私たちがまず思い浮かべるのは「善玉菌」「悪玉菌」ではないでしょうか?
これは、そのような名前の菌がいるわけではなくて、100兆もいる腸内細菌の働きを大まかに分類したものの総称です。

善玉菌は、乳酸菌やビフィズス菌など、人に対してプラスな働きをしてくれる菌です。
それに対し悪玉菌は、腐敗菌とも言って腸内を腐らせたり、有害物質を放出したりする菌です。
さらに、普段はどちらにも属さず、免疫力が低下すると悪玉菌になってしまう「日和見菌」というものもいます。

腸内ではこれらの菌がいつも生き残りをかけてせめぎ合っていて、その割合のバランスは人それぞれですし、同じ人でも少しずつ変化しています。

では、どのような状態であれば理想的なのでしょう?

それは、

  • 腸内細菌の種類と数が多い
  • バランス的に善玉菌が優勢

という状態であれば、よい状態です。

悪玉菌は、悪い物質を放出するので不要なように思えますが、赤痢菌やコレラ菌などの菌が入ってきたときに戦ってくれるので、ある程度は必要です。
なので善玉菌優勢くらいがちょうど良いんですね^^

このような状態に近づけるにはどうしたらよいでしょう?
簡単に言えば、ごく一般的に言われている健康的な生活を送ることです。

  • 健康的な食習慣
  • ストレスフリー
  • 十分な睡眠

などがキーワードです。

善玉菌を増やすには、栄養バランスを考えることはもちろんですが、とりわけ重要なのは食物繊維
しかし、日本人は基準量に達していません。

食物繊維が不足すると腸内細菌は数が増えないので、パワーが落ちてきます。
ゴボウや玉ねぎ、アスパラガスなどの野菜、納豆や大豆などの豆類にたくさん含まれていますので、積極的に摂取したいですね。

また、善玉菌を活性化させるオリゴ糖を摂り入れると効率的です。
オリゴ糖は「善玉菌のエサ」となるもので、発酵食品やサプリなどで摂取することができます。

腸内フローラの研究はこの5、6年でかなり進められてきたのですが、まだまだ研究段階。
ピンポイントで効果を促すようなサプリメントや薬が登場するのはまだまだ時間がかかるでしょう。

だからこそ今は、健康的な生活を意識したいですね。



カイテキオリゴ

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